青柳碧人著
やはりこの作家さんは、読ませる、というか読ませられてしまいます
大正時代に活躍する有名人たちをモチーフに短編で紹介していくお話です
名探偵を目指す青年
若手気鋭の新進作家に、質の良い童話を書くように懇願する編集者
与謝野鉄幹 晶子夫妻と思わぬところで関わる電気屋の夫婦
放蕩を続けながらも、その一方で研究に邁進した結果、ノーベル賞候補となった科学者のスキャンダル
名犬ハチ公に、飼い主への忠誠を手伝う、元スリの「仕立て屋銀次」
大正時代に名を馳せる者たちの「その前夜」的な短編です
『怪談刑事』の面白さとは真逆な面白さで
この本も、とても心惹かれる作品です
最期の「姉様人形八景」は、1枚の絵のなかに使われている、小さく描かれた女性二人の着物の柄からはじまる物語です
この作品の、始まりから最期の終着点までの不思議な軌跡
なんとも言えない、もの悲しさのあやふやさが心を打ちます
1枚の姉様人形が大事にいろんな人の手に渡る、数奇な運命を象らせる作者の手腕に毎回唸らされ、
「読んでよかった」と思わせられるのです
何度でも読みたい
見かけると素通りできない一冊です
それなら買ったほうがいいのかな…
