青柳碧人著


図書館で『怪談刑事』の隣にあり

つい手に取ってしまいました


年末に『乱歩と千畝』を読んだときに

たしか乱歩の探偵エピソードがあったはず

と思い、もう一度読みたくなりまして

再読しました


やはりとても面白い一冊です


8編の短編集なのですが

登場人物は大正時代の有名人多数


この本を読むと大正時代通になったような気がします


憲兵などがいて思想が制限されていた不自由もあり

関東大震災という大きな災害もありましたが


古かった時代は遠い昔

新しい時代に向けて前を向いて行くことができた

ある意味希望に溢れていた時代といえるのかも


芥川龍之介の『蜘蛛の糸』誕生秘話

忠犬ハチ公のスリの共犯

放蕩する野口英世の隠し子疑惑

そして著者の母校早稲田大学への礼賛を表したと思う、島村抱月の秘話


私は最後の山下清を絡めた平塚らいてうの話がやはり一番好きでした


原始、女性は実に太陽だった


この言葉と山下清のちぎり絵

そして山下画伯の、なんでも兵隊の地位に例えたがるエピソードを絡めた話は

逸品だと思います


『乱歩と千畝』直木賞受賞が叶わなかったのは本当に残念です


直木賞とか本屋大賞とかを受賞して

もっともっと活躍してほしい作家さんです


次回作楽しみですが

繰り返し読む楽しみも与えてくれたことにも感謝です