あなたは仕事を終えた部下に対して、考えていたほめ言葉を言いました。

 

相手はこの言葉によってモチベーションも上がり、気分良く次の仕事に取り掛かりました。

 

しばらくして、次の仕事を終えた部下に対して、前回と同じようにほめました。

 

しかし、今度はあまりほめ言葉が効かない様に見えました。

 

そんな経験はありませんか?

 

実はほめ言葉やほめ方はいつも同じではいけないのです。

 

 

 

 

ほめ方には変化をつけて何度も繰り返しほめる
 
・ほめられた高揚感は一週間で消える
 
さまざまなほめ言葉を駆使してほめた結果、相手も心を動かされたらしく、お互いにしばらくいい関係が続きました。
 
ところが、ほめられたという情報の記憶が時間とともに薄れてしまうと、そのときに感じた高揚感も徐々に薄らいでしまうのです。
 
残念ながら、ほめられることで人が心を動かされる期間はせいぜい一週間程度と言われています。
 
ほめ効果をなるべく長くキープし続けるためには、何度も繰り返しほめ続ける以外にありません。
 
面倒くさいと思うかもしれませんが、人をほめるというのはそういうことなのです。
 
しかも、同じパターンでばかりほめていると、ほめ効果は半減してしまいますから、ほめるポイントやタイミングに変化をつける必要があります。
 
これはバリエーション効果と呼ばれ、ここまでやって初めて相手の心にこちらの想いが届くのです。
 
 
 
相談ごとという形で相手への信頼感を伝える
 
・信頼されることで好意も増幅される
 
「ほめる」というと、相手の長所や個性を称賛する行為と考えがちですが、「相談をもちかける」という形でも相手に対する評価や信頼感を伝えることはできます。
 
たとえば、「今度の仕事のことでぜひ意見を聞かせて欲しい」と部下を酒席に誘ったとします。
 
一見すると業務の一環の様にも思えますが、社内ではなくわざわざ酒席に誘ったことで、部下は自分が信頼されていると心理的に解釈するのです。
 
自分を信頼してくれた上司に対して部下は真剣に意見を伝えるだけでなく、次第に好意的な心理感情を持つようになります。
 
人間にはできるだけ思考と行動が矛盾しないよう、頭のなかでバランスを保とうとする傾向(心理学では「不協和の解消」と呼ぶ)があるため、部下は上司に対する好意があったからこそ、自分は相談にも応えたと考えるようになるのです。