レインメーカーのお話し(陰陽) | 占い師・日の宮燈子のブログ

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タロット占い師燈子の占いや日々のことを綴ります。

陰陽(タオ)を考える上でいつも思い出して好きなお話です。

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ヴィルヘルムの住んでいた地方でひどい旱魃がありました。何か月もの間、雨は一滴も降らず、事態は逼迫してきました。

旱魃の悪霊を脅して追い払うために、カトリック教徒は聖歌を歌って行進し、プロテスタントは祈りを捧げ、中国人は神像の前で線香を焚き鉄砲を撃ち鳴らしましたが、どうにもなりませんでした。
しまいに中国人が言いました。雨乞い師を呼んでこよう、と。

そして、別の州から、干からびた老人がやって来ました。

彼が要求した唯一のものは、とある場所に静かな小屋でした。そこに彼は三日間こもったのです。四日目には雲が雲を呼び、雪が降ることなど考えられない季節に大変な吹雪となりました。尋常ならざる大雪です。

町はその不思議な雨乞い師の噂でもちきりだったので、ヴィルヘルムはその男を訪ねて、いったいどういうふうにしたのか訊きました。
まったくヨーロッパ式にこう言ったのです。

「人々はあなたを雨作り(レインメーカー)と呼んでいます。どうやって雪を作ったのか教えていただけますか」。

すると、小柄な中国人は言いました。

「わしは雪を作ったりはせなんだ。わしのしたことじゃない」

「ならば、この三日間、あなたは何をしておいででしたか」

「ああ、それは説明できる。わしは、ものごとが秩序のなかにおさまっている、よその土地から来た。ここでは、ものごとが秩序からはずれておる。天の定めによるしかるべきあり方になっておらぬ。つまり、この土地は全域、タオからはずれているのじゃ。わしも、秩序の乱れた土地にいるがために、ものごとの自然な秩序からはずれてしもうた。だから、わしは、自分がタオのなかに戻るまで、三日間待たねばならなんだ。すると、おのずから雨がきたんじゃよ」。

『ビジョン・セミナー by カール・G・ユング』
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場を整えること、佇まい、存在、そういうこと全てが周囲に変化を起こしていくということ。
そして変化は辺境から起こるということ。

占い師とは、様々な役割を持っています。またこの現代社会は多様な価値観になり、占い師も昔と違い、占い師自身がどういう占い師を目指すのかはその人により様々です。


私は、そういう意味では依頼者様の意識の場を整えること、それも占い師として目指す所です。


パニック状態で駆け込んで来られる方、リピーターで様々な心理段階を経てご相談に来られる方などいろんな場合があります。

その時に、その方が自分自身を内省出来るように場を整える必要がある時があります。

占いを使い、また心理学を使いながらその方の気持ちの場所を整える。そうすることで、人は自分を内省し、問うていた


相手の気持ち


ではなく、自分の行動や自分を振り返る余裕が出来、それが次の行動へと繋がっていきます。

占いが、というよりかは占いをきっかけにして依頼者様自身が変わっていくのです。


そういう意味で、場を整える、それが私の占いの特徴であり、目指すところでありさらに進化させたいと思います。


そしてこのレインメーカーのお話しでわかるように、つまりは占い師である私が、自分の場を整えることが一番重要なのです。


そんなことを振り返った秋の夜でした。