春のせいでしょうか。
こんにちは、渋谷です。
春、というか初夏ですね。すっかりいい気候です。今年は子供が小学生になって生活にも変化がありました。なんかフレッシュさん、みたいな気分です。幼稚園ママは慣れたものでしたが、小学生ママは生まれて初めてですから。なんかちゃんとした格好で常識人みたいに振る舞うことも多い。だからかなんなんだか、やけにイキイキした気分になってるんですよね。
どっちかっていうと厭世的な人間なのですが、それが息を潜めなんだか「春、新生活、希望でいっぱい!」みたいな気分。私の人生でなかなかこんな気分になったことはない。筋トレで妙な脳内ホルモンが出てるせいでしょうか。それとも躁鬱の躁が更年期障害で強く出ちゃってるんでしょうか。筋トレってやっぱり人生を変えるのか、それともこの後地獄の鬱がやってくるのか。できればこういうイキイキ人生をこの先も送ってみたいものだなあ。今日もこれからバラ園に行くよ!花に囲まれあははうふふしてくるよ!
そういえばイキイキが滲み出てるのか、ツイッターで道尾秀介さんにコメントしたらお返事もらえちゃったよ。すげえ嬉しかった。一生ファンです、と思った。気分がいいと棚ぼたが増えますよね。その一環なのか、今日読んだ本もなんかイキイキした感じでした。類は友を呼ぶ、でいい気分でいるとそれを生むものがまた近寄ってくるのでしょうか。
ミステリー傑作選 「Life 人生、すなわち謎」、人が死なない、ほんわか系のお話が多かったです。収録作家さんが
伊坂幸太郎
今野敏
翔田寛
本城雅人
水生大海
となっております。
最初に期待したのは伊坂幸太郎さんなんですよね。
夫が大好きで。「ゴールデンスランバー」「重力ピエロ」「グラスホッパー」とかが本棚の一番目立つとこにある。今回は結構SFっぽい作品でした。「彗星さんたち」です。
登場人物は新幹線の清掃員さんたちです。あの、新幹線が到着してお客が全員降りて、折り返しする前にばーっとお掃除をしてしまう清掃員の皆さんですね。ちょっとエンターテイメント性があるとまで言われるぐらい、完璧なお掃除を手早くなさる方たち。その中のリーダーである中年女性、鶴田さんが脳溢血で意識不明になってしまいます。
鶴田さん不在の中でも日々清掃業務に励むメンバーですが、それぞれにちょっと不思議なお客さんに出会います。ある車両ではDVをはたらく父親に会いに行く幼い姉妹。別の車両では、妹をDV夫から逃がす姉、また別の車両では自分を大切に気遣ってくれた叔母を東京に迎えるため緊張している青年……。
誰かが、「まるで一人の女性の人生を初期から見てるみたいですね」、なんて言います。もちろん冗談です。でも、ちょっとした偶然からその一人の女性がもしかしたら鶴田さんなんじゃない?なんて話になる。DVをはたらく父親から妹を守り、結婚もせずに妹を助け甥を守り、そしていま脳溢血で意識不明の鶴田さん。鶴田さんから「甥が一人いたんだけど、事故で死んじゃったのよね」なんて話を聞いていた同僚がいました。あの青年はその後死んでしまったということでしょうか。一体鶴田さんの人生は何だったのか。少し悲しい、でもラストには鶴田さんは意識を取り戻し、仲間たちは手をたたいて彼女の生還を喜ぶのです。
荒唐無稽っちゃあ、荒唐無稽ですが。
いい話だね。人のために人生の時間を使ってきた鶴田さんはパウエル元国務長官が大好きです。語録を多用するんですが、中でもいいなあと思ったのが「常にベストを尽くせ。見る人は見ている」
いいね。そうだね。私逆に「誰が見ているかわからないからサボるわけにはいかない」って理論で生きてきたんですが。
逆に考えればこんなにポジティブになるのね。参考にします。面白かったです。
あと意外なぐらい面白かったのが水生大海さんの「五度目の春のヒヨコ」ですね。社労士の女の子が主人公。新卒で就職に失敗して派遣社員になるのですが、働きながら頑張って勉強して社労士の資格を取ったばかりの新人さんです。名前は雛子ちゃん。この女性がクライアント先の中小企業で起こる問題に立ち向かうお仕事ミステリー。
これは……映像化を狙っているのかしらという感じのライトな作品。でも全然薄っぺらくなくて、ミステリーとしてもちゃんと読ませる内容があって、そして雛子ちゃんがあまりにもいい子で健気で空回りしてて、どうやっても応援したくなっちゃういいキャラ!この本の中でももしかしたら一番面白かったかもしれない。今調べたら「ひよっこ社労士のヒナコ」って短編集になってるらしい。これは……読もう。多分ドラマになるぞ。でもドラマになったら見ない可能性が高いな。小説で今のうちに読んどこう。ちょっと探してみたいと思います。
また面白い作家さんを見つけてしまいました。アンソロジーっていいですね。新たな出会いの場だわ。
そんなわけであははうふふしてきます!春!日光湿疹の季節!日焼け止めべったり塗って出かけよう!
ではまたー!