タイトルのアルファベットは
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
の略称。うつ病や社会性障害に使われるものです。
特に十数年前に海外でプロザックという薬が現れた時
それまで用いられていた薬では芳しいリアクションを感じて
いなかった、うつ病患者には画期的な話となりました。
プロザックは未だに日本では認められてないはずですが
同類の働きかけをする薬では認可・保険適用されているもの
があります。私はSSRIのルボックスを処方されています。
この種類の薬に反応する患者も多いらしいのでSSRI
をうつ病患者への第一選択肢にする医師も多いはずです。
さて、この薬の副作用にはアクティベーション・シンドローム
(暴力的あるいは挑発的行為、逆に自殺への衝動)があるといわれてます
実際私がこの薬をもらう際に注意事項として、そうした事が
記された紙を渡されておりました。
確かに抗うつ薬はイメージ的にも沈み込むメンタルを高める
という薬かな?という部分はあります。高まりすぎて暴走するという
ネガティブな結果が出るというのは素人目からも、判らない
ではないです。
でもなぁ、うつ病の人が、いきなり怒り始めるというのは
同じ病で同じ薬を飲む私としては、別の抗うつ薬を使ったと
しても、起こり得る現象だと思うのです。
うつ病患者は基本的に、のべつまくなしストレスを感じてます。
そしてダメージを蓄積させてしまい冷静な判断力や決断力を
低下させています。だから失敗や凡ミスを続ける場合もあります。
精神の疲労
判断力低下
失敗
自責
疲労の蓄積 という負のスパイラルに陥り、これがうつを悪化させると、身体に
症状が出てくる事があります。憂鬱でだるいを通り越して
頭痛、目眩、吐き気、自律神経の失調による心身症や免疫力低下
によるアレルギーの発病など、目がくらむような数の体調不調が
現れます。これと同時進行していくのが周囲からの疎外感
です。うつ病は、ただの気まぐれ病という世間のレッテルは
まだまだ生きていますし、うつ病患者自身も自責の念の塊なので
小さくなって生活したり勤務したりしています。
こうした間に、最初は自責だけで済んでいたうつ病患者にも
とうとう破綻が生じて、自殺したり、逆に自分を判って欲しいと
いう気持ちが暴走して周囲に対して暴力的や挑発的行為に
及んでしまうと思うのです。
うつ病の薬は効き目に個人差が大きいです。
なぜなら研究の進化が難しいからです。動物実験や死亡者の
脳を検体とした研究をしても脳のメカニズムが解明しきれていない
ため、決定的なうつ病の共通項が掴めていないのです。
だから薬を飲み続けても回復しない患者は沢山います。
SSRIだって効果確率は従前の薬に比べると高いですが、完璧では
ありません。だけどもSSRIの副作用が暴力沙汰という
という医療界の感覚に対して私は疑念を感じます。
なぜなら、今の世の中が、うつ病患者の症状を悪化させてしまう
負のスパイラルをどんどん進行させてしまうほど荒んでいる
という現実こそがアクティベーション・シンドロームの一番の原因と
感じているからです。
学校の先生に精神疾患者が激増していることは、モンスター
ペアレントの激増ともリンクしてきます。モンスタークレーマーや
モンスター上司の激増など、社会が荒む事はうつ病患者の
負のスパイラルのスピードを上げてしまいます。
世の中の荒むスピードとSSRIの必要な人達が増え続ける
スピードがシンクロしたということが
SSRIと
アクティベーション・シンドロームが強く繋がっているように
受け止められてしまっているのではないかと思います。
副作用ゼロの薬は有り得なく、効き目が高い程副作用リスク
は高まります。SSRIは現状としては高い効き目のある薬
と認めていいのではないでしょうか
このような世の中の劇的悪化の速度に比例して自殺者が激増して
いないというのは、精神科医の診療とSSRIの効果の功績と思います。
結論
いまの世の中では、うつ病患者は増え続ける。
ただSSRIの効果はデータ上、自殺者数激増を食い止めている。
これからの更なる効果的な薬の出現に期待したい。
言ったもの勝ち、やったもの勝ちの権化のモンスター達
が減る世の中に回帰すると、うつ病患者の回復率は上がると
思います。無論アクティベーション・シンドロームも減少します。
以上、長文ごめんなさい。
生きづらいよ、ホントに…