
北陸本線に乗って加賀温泉駅近くになると、西側に巨大観音像が見えて来ます。
まえにも見たことがあって気になっていたが、今回旅行で車窓からこの観音像を写しまし
た。
《2016.7.18 周南市 東郭》

現在は、観音院加賀寺としてこの巨大観音のみの運営をしているとか。
というのか、以前 「ユートピア加賀の郷」という宗教テーマパークとして建設されたもの
の、経営に不振で倒産?したと言う話です。
総工費280億円をかけたそうですがバブル崩壊には仏様もお助けにならなかったのです。
それで、かろうじて、この巨大観音様のみが¥500の拝観料で見学出来るそうです。

そういう訳で、大変複雑な経験をされています観音様だったのですね。
ところで、巨大な観音様の高さは、なんと73mだそうです。
高層ビルですと、17階~18階に相当します。なかは、螺旋階段になっていて色々な
仏教美術などみていくことも出来るようです。肩や額などの四角いのは窓なんですって。
ところで、これまで私の見た巨大観音像は、九州の成田山久留米分院の慈母観音像で、高さ
62mあります。九州自動車道を走っているとき、見掛けることが出来ます。
もうひとつは、會津若松にある会津慈母観音像で、これは高さ57mあります。
日本一高い観音像は、仙台の仙台大観音で高さ100mあるそうですが、気がつきませんでし
た。
観音様といえば、大宰府の観世音寺に行かれたことが、お有りですか?
私は、空海が遣唐使船で長安に行くときと、帰ったときに此処に立ち寄ったと云うことで
確かめに行ったのですが、確かにその話はあるそうですが、遺品などはありませんでした。
此処の梵鐘は、京都市右京区花園にある妙心寺梵鐘、奈良県当麻寺の梵鐘に並んで日本最古
の梵鐘だとされ、また、妙心寺の梵鐘と観世音寺の梵鐘は同じ型で鋳造された「兄弟の鐘」
であると検証されている。制作年代は、妙心寺梵鐘がその銘から文武天皇2年(698)と明らか
になっています。
この鐘を聞いた菅原道真は「都府楼はわずかに瓦色を看、観音寺はただ鐘声を聴く」と左遷
の哀切を詠みました。
この大宰府観世音寺の観音様は有名で重要文化財に指定されています。寺の博物館に15体
くらいの大きな仏像がありますが、なんとその7体が観音様です。高さは5mあまりですが
木造で西暦1000年くらいの作です。未だの方は、是非、拝観されることをお薦めします。
