
朝早く電話が掛かって来て、お魚が釣れたから分けて呉れるというのだ。
友達と言っても、家人の友達なので私の出る幕ではない。
あと、10分くらいで到着するという性急な話で、家人はさっそく畑に出て、高菜をかいで
いる。例の物々交換というやつらしい。
ところで、釣り人は呑気なようで意外とせっかちである。
昨夜、釣ったらしく、一刻も早く分けてやろうというのだ。
まあ、昔はわたしも魚釣りには随分通ったもので、心情はよく判る。
釣り魚を美味しく食べるには、一刻を争うからだ。
貰ったメバルは、この辺で本メバルをいう美味しいやつで良型であった。
25cm以上あるので、市価だと¥500~¥600/匹くらいはするだろう。
このまえ、上関の道の駅で美味しそうなカサゴが安くて¥300/匹で買って帰ったが、
見た目ほど美味しくなかった。
このメバルを煮付けで食べていて、やはり美味しいのは断然メバルだと思った。
近頃、メバルはルアーで釣るらしい。
家人は、”えさ代が要らんでいゝね!” とか言っていたが、真にそうで昔の餌の主流は、
田エビだった。田エビのピンピンしているやつは、メバルが飛び付くように釣れる。
撒き餌は、オキアミを使っていた。撒き餌をすると、藻がある底から猛然とメバルが
湧きあがって来た。こういう状況をつくれば、あとはいくらでも釣れる。
地合いが遠のいても、誘いをかけると喰いついてくるのが、メバルの特徴であった。
多分、スズキなどのルアーフィッシングが流行り出してから、いろんな人がメバルにも
試したのだろう。あの、誘いに乗ってくるのだから、ルアーでも釣れたのだ。
ルアーで釣りだすと、いちいち生き餌を針につけることもなく、田エビの管理もしなくて
いゝ。私は知らんが、ルアーをやり出すと生き餌でやる気にはなりませんわな~
しかし、まあ、なんで釣っても、お魚が美味しければいいわけであります。
ところで、メバルは割と小さい魚なのによく引きますねぇ。
この、魚とのやり取りはなんとも言えない楽しみです。
釣ってよし!、食べてよし!は、やはり今のメバルですね。
《2016.3.19 周南市 東郭》

《漁場:周防灘徳山湾》