高杉晋作の獄中手記 #028 | 周南市 東郭の世界

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獄中手記
 
 
元治元年五月七日 讀書六十葉
 
 
因中作
 
 
自作繋囚心更雄      繋囚と作(な)ってより心更に雄なり
榮枯不敢與人同   栄枯敢えて人と同じからず
誰言樂裡還生苦   誰か言う楽裡に還(また)苦を生ずと
知是眞娯在苦中      是れ真の娯しみは苦中に在るを知る
 
 
 轉結改作、初知極樂無量界、却在辛途苦海中、如何
 
 
【東郭解譯】
 
獄に繋がれてから私の心は、さらに男らしく力強くなった。
 
栄枯盛衰というものは、人によって同じではないのだ。
 
誰かが言ったが、樂のなかにも、また苦しみが生じてくる。
 
(この道理の)真の楽しみは苦しみのなかにあるのだ。
 
晋作さんは、獄のなかで”楽あれば苦あり、苦あれば楽あり”で
 
なく、”初知極樂無量界、却在辛途苦海中” 無量界の極楽は却って
 
苦海の中の辛苦に在ることを初めて知ったと詠んでいます。
 
仏教で言う「苦楽表裏」を初めて体験したということでしょうか。
 
 
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