彼岸花は、老人の緋毛氈

老人が、稔った稲田の中を歩く。
歩くのは、紅い彼岸花の道しるべ。
今日の散歩は、只一人・・・
いつもの、夫人は風邪なのか。
老人の日課は、欠かせない。
これまでも、長い道のりだった。
曲がりくねった道だった。
老人は、尚もとぼとぼ歩いてゆく。

平成25年の秋
