牡丹の花(島錦)と漢詩 | 周南市 東郭の世界

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清平調詞(1) 李白
 
云想衣裳花想容,春风拂槛露华浓。 
若非羣玉山头见,会向瑶台月下逢。
 
雲には衣裳を想い花には容(かたち)を想う、春風 檻(かん)を払うて露華 濃(こま)やかなり
若し、羣玉山頭を見るに非ずんば、会(かなら)ず瑤台(ようだい)月下に向かって逢わん
 
背景
玄宗皇帝が、興慶宮の沈香亭で、楊貴妃らと宴を開いていたとき、李白を呼んで詩を詠ませ
ました。既に酒好きの李白は、酩酊気味であったが、すらすら?三首詠んだといいます。
興慶宮沈香亭には、牡丹・芍薬など美しく咲いており、李白の詩で歌舞音曲に興じました。
 
私的解釈
李白はこのとき雲を見て楊貴妃の衣装を想い、牡丹の花を見て楊貴妃の艶やかな容姿を想いました。
 
春風は沈香亭の欄干を吹き払い、露華は濃やかに輝いているというのも楊貴妃の美しさの例えの
 
ようです。つぎに(楊貴妃のような美人には)、若し羣玉山のような所で見る事が出来ないなら
 
せめて瑤台の月光のふりそそぐもとで逢いたいものだ,いやきっと逢えるだろう。
 
羣玉山は传说为 西王母 所居处神话传说中神仙所居之地。
 
瑤台は、神话传说中神仙所居之地出处。となっていますのでこの時代の人の憧れを表わしています。
 
このような、羣玉山や瑤台のような絶対的なものに比べても同じくらいですと比喩しています。
 
現代人は、なかなかこのような表現は致しませんが、唐の時代はこれが普通だったようで、
 
玄宗皇帝もすっかりこの詩が気に入り李白を重く用いるようになったといわれます。
 
また、このときから美しいものゝの例えに楊貴妃と牡丹が一緒に語られるようになりました。
 
                                          《2013.4.23 周南市 東郭》
 
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