東寺でのひとコマであった。
茶屋で休もうとして抹茶を所望しているときのこと、家人がそこの娘さんに聞いている。
“あれって、福寿草ですよねえ!”
かの娘さんは、嬉しそうに “そうどす、ようお客さんに聞かれます!” と答えた。
緋毛氈の席のむこうのつくばい風にしたてた一角である。
専門の職人さんが仕立てたものだそうだ。
私は、紅梅は眼に止まったが、小さい黄色い福寿草までは確認できなかった。
前を通り過ぎて往く人々は、この紅梅と福寿草だけには感嘆しながら立ち止まる。
冬の花は、ちいさいながらも力強い。
2013.2.27 東郭
【福寿草】キンポウゲ目 キンポウゲ科 フクジュソウ属

【紅梅】 バラ科 サクラ属

