
忘年会の会場をでた。
みんなものすごく飲んで、ものすごくしゃべってすっかり満足していた。
どうも足がふらついて真っ直ぐ歩けない。
同方向へ帰る友人とふたり。
どちらもふらふら酔っており、何か分からない言葉をぶつぶつ・・・。
ふと路上に銀杏の黄葉がいっぱい落ちていた。
それらは、みんなおおきくて、黄色く輝いている。
私は、“こりゃ~おおきい!”と言って手を伸ばした。
友人は、“バカーァ、そりゃゴミじゃ、ゴミじゃ”と酔っただみ声でどなり散らす。
わたしは、いまでもその時の光景を思い出すことが出来る。
暗い歩道のなか、街灯に照らし出された銀杏の大きな葉は記憶の一片であったのだ。
私は友人に、“アホー、お主はこの美しさが目にはいらぬか!”と言ったかどうか忘れたが、
とにかく2・3枚持って帰った。
あさ、起きたら銀杏の葉が2枚きれいに並んでいた。
