杉乃井地熱発電所 | 周南市 東郭の世界

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一応、貴重な記事・画像は移行成功しているようで、引き続き東郭の世界を楽しんで下さい。令和元年から新しいアメブロで頑張ります。 “ゆうぜんとしてほろ酔へば雑草そよぐ”

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別府杉乃井ホテルに行った時の事。
観光バスの運転手が、ここは地熱発電
で電力を供給している、と案内した。
杉乃井は、ホテルのみならず、アクアビート、アクアガーデン、スギノイパレス、
スギノイボウル、杉乃井ヒカリホール等
経営している。
その電力を地熱発電で賄っていると聞いて興味が湧いた。
 
 
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何しろ、いま再生可能エネルギーの見直しが日本中で叫ばれているなか、その代表の一つたる地熱発電所を見ることは、意義ある事だとおもったからだ。
一泊後の朝は、小雨が降っており観光とてままならぬ、ホテルマンに希望を述べると、外から見るならOKということで、
4・5百メートルの山道を登る。
地熱発電所と言っても、一か所に纏まっての設備ではなく、何か所かに分かれて
点在していた。
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数か所の設備を登ると、少し広い場所にたどり着いた。
ここは、発電設備と思しきところで大きな建物内はプラント制御室や冷却設備・
ポンプ等運転している。
駐車場もあり前側には、湯気がたつ噴水の様な冷却散水設備があった。
 
地熱発電は、地中の熱資源へ井戸を掘り、出てくる蒸気・熱水を気液分離し、蒸気でタービンを回し、発電する。
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タービンを回す蒸気をつくる方法として
①シングルフラッシュ方式、
②ダブルフラッシュ方式、
③ドライスチーム方式、
④バイナリー方式※熱媒体を使用する場合
 
があり、杉乃井地熱発電所は①のSF方式で、気水分離器で蒸気のみを摂りだしてタービンを回すのを採用している。
杉乃井地熱発電所は平成18年に運転開始され出力は、1,900kwの自家用発電所である。ここのホテル等の必要電力の7割近くを賄っているという。
日本の電力量で地熱発電所が占める割合は0.2%、54万kwである。
 
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日本全体の電力の割合からすると、この種の
電力は1.0%なので、いかにも少ない。
しかし取るに、足らないというのは早計である。
新エネルギーは無限の可能性を秘めている。
杉乃井の様な自家用の発電をする考え方が必要である。
 
 
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地熱発電の一般的な設備は、
①生産井
  地中から地熱液体を噴出させる井戸
 
②気水分離器
  ①からの熱水と蒸気を分離させる
 
③還元井
  ②の気水分離器から分離された熱水  等をふたたび地中に戻す井戸
 
        気水分離器とブロータンク
 
  
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④タービン・発電機
  ②からの蒸気でタービンを回し、
  発電機で発電する
  
⑤変圧器・変電所
  発電させた電気を変圧して、送電す   る。
 
⑥復水器
  タービンを回した蒸気を水に戻す
 
          冷却(塔)設備  
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⑦冷却塔
  復水器からの温かい水を冷やして
  河川等へ排水する。
 
という設備があります。
 
 
 
 
 
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送水タンクとポンプ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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河川へ放流される水。
その水に触ってみたが、常温であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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湯気がある所が地熱発電所がある所、
それを登っても数か所建物がある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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杉乃井地熱発電所
 
 
 
 
 
 
 
 
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地熱発電所の特徴は汲みあげた熱水温水を温泉などに利用できること。
 
 
 
 
 
 
 
 
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自然に噴き出してくる蒸気もあるし、
温泉もある。
 
別府の湧出量は毎分95,167リットルで
世界第2位ということです。
となれば、源泉かけ流しに決まっており
加熱も必要ないということで、温泉街と
しても他と比べてコストが安いだろう。
 
 
イメージ 7この道の両側が杉乃井パレス等の建物ですが、この山側の地熱発電所も自家用で電気を造っていた。
そして夜は、その電気でイルミネーションが輝く。
その日は400人の宿泊客だったという。
 
採算性までは分からぬが、経営姿勢は
納得できるものがある。