
新聞の広告を看ていた家人が行った。
“別府へ行こう”
寒さも増した12月7日である。
見れば安い¥10,800だ。
“いいね~”即断即決、直ちに予約する。
徳山駅から新幹線に乗って下関まで。
9時の集合、総勢25名の一泊2日。
バスは、関門大橋を渡る。

右下が関門海峡である。
薄曇りの天候なれど海峡の航跡は、
はっきり見える。
とはいえ、ここを通る船は潮流を考慮せねばならぬ。
干満によって違うが最大10ノットになるという。
通常の貨物船が12ノット/hというから
この潮流に直面するとほとんど進まないし、燃費もかかる。

因みに1ノットは1.852kmでありますが、
航海士は、その時間帯を避ける。
逆にこの潮流に乗れば、坂道を降るが
如く労は容易い。
下関と言えば歴史上にも重要な地であり
1185年源平壇ノ浦の戦い、安徳天皇入水、1612年巌流島で佐々木小次郎と宮本武蔵の決闘、1895年日清戦争の講和会議(下関条約)が春帆楼でなされた。

日露戦争の乃木希典大将は203高地で多くの戦死者を出し爾靈山と名付けた。中国語で203=爾靈山と発音する。
下関有名人は数多いが、池永正明、藤本英雄、中部銀次郎、松田優作、狩野芳崖・・・など挙げられる。

バスは、九州自動車道を南下する。
北九州JCTから東九州道へ入る。
案内板には行橋と書いてあるが、
苅田から先は現在着工中である。
東九州自動車道は、その名のとおり九州東側を走る高速道度である。
全線開通ではないが現在、各所で供用されている。
私たちが今、通っているのは2006年2月に開通した。

それは、北九州空港の開設に間に合わせた為であった。
私は、不覚にもこの道を知らなかった。
国道10号線は、時間が掛かって閉口
していたから、西側の九州道ばかり走っていた。
しかし、今回のバス旅行でのこの道は
快適である。
バスだと景色がよく見えるのがいい。

高速を降りて真っ直ぐ行くと北九州空港へ行く。
私たちのバスは、左右を通る国道25号
へ入る。

国道25号線は、周防灘臨海工業地帯
を走る産業道路らしく幅員もひろい。
道路ひだり側には、大きな工場が見える。
三菱マテリアル九州工場。
ここは日本最大の生産規模を誇る
セメント工場である。

左写真は、工場から東谷鉱山まで、
全長12.3kmにわたるベルトコンベアで、原料の石灰石を運ぶ。

右に苅田駅。

左は苅田港。
苅田発電所、麻生セメント、宇部興産、
クリオン、日立金属など巨大工場が
操業している。

続いて見えてきたのは、日産自動車
九州工場。
この工場は1975年操業開始、
2010年生産台数43万台、
従業員3,600名、
敷地面積236万m2。
私は、この工場を見学したことがあるが
非常におおきい工場である。
現在の車の生産は、ほとんどロボットが
活躍しており、ラインを流れる車に溶接

ロボットが数台纏わりつく。
又、生産ラインの進化はこれだけでなく
一つのラインで違う車種を自由に製造
出来るのである。
以前は、このような事は出来なくて、
1ライン1車種であったものだ。
従って、多種量産も可能になり、
聞くところによると一台製造時間は一分程度であったと思う。

上記、年産台数からもそれくらいになり
只々、驚くばかりである。
そして、大きなグランドには新車がいっぱい有り、次々苅田港巨大船に入って行く。
この時は、将に、秒を争う生産競争であった。
現在、景気低迷でどうなっているのか、心配するばかりである。
ここで、写真左の国道10号線に左折する、行橋バイパスである。

国道10号線を暫く行くと椎田(有料)道路の案内板が見えてくる。

椎田道路は徳永交差点から築城、椎田、中村迄が高速有料道路である。

バスが築城付近を通る時、ジェット戦闘機がものすごい速さで飛んできた。
通常の飛行ではない。
低空から急上昇も急旋回もする。
バスの中は騒然となった。
3機くらいは、見ることが出来たが、
その巨大な黒い塊の速さには、戦慄させるものがあった。

家人は私より大いに感動して、“すごい、すごい”といって叫んでいた。
私は平気を装って、
“きっと、ここら辺りに基地があるんだ”
と応じた。

※帰って調べてみた。
航空自衛隊築城基地であった。
ジェット機は、恐らくF-15イーグルであろうと思う。

バスの運転手は、私たちの騒ぎに関係なく黙々と運転している。
あっという間に、椎田道路の料金所に
着いた。
豊前松江駅近くの中村という所。

椎田道路をおりると再び国道10号線。
バスの右側に道路を造っている。
10号線沿いに高速道路を造っているのだ。
すぐ道の駅「豊前おこしかけ」がある。



漸く休憩する場所へ着いた。
時間は10:30分。
ここで30分の休憩をすることになった。
下関駅から9時発だから、2時間30分
掛かっている。

ここ太平楽は、道の駅と同じようなもの。
弁当、くだもの、やさい、花などある。
ハム、ラーメンその他食堂もある。
温泉もある。
しかし、温泉は今から別府にいくので
入らない。

駐車場も随分広くて、100台以上駐車
できるだろう。
観光バスもこのルートは皆ここで休憩する。
博多からのバスもいた。
後、1時間で別府に着く予定。

上毛(KOGE)町というところ。