





9月10日、稲刈りが終わった。
西日本の稲作作況は天候に恵まれ、順調である。
稲刈りの直ぐあと、早速伝書鳩の群れがやってきた。
籾(もみ)を拾いに来たのだ。
その数約100羽。
フランソワ・ミレーの落ち穂拾いのような姿は現代では見られない。
もはや人間は落ち穂拾いをしない。
鳩たちがやってくれる。
ところが早速、邪魔者が現われた。
すぐ上の写真の右側の黒いのは猫である。
猫は野性そのものになって、背を低くして、近づいていく。
これ等の鳩もそうだが、鳥の受難時代である。
今年1月21日、宮崎県で高病原性鳥インフルエンザが発生した。
ウィルスはH5亜型で高病原性鳥インフルエンザ疑似患畜と確認、鶏42万羽以上が殺処分された。
農水省の半径10km移動制限区域というのは、移動禁止のみならず、養鶏農家等関連施設など、すべて消毒しなければならない。
2月6日には宇部市の常盤公園で死んだ野鳥のキンクロハジロ鳥から鳥インフルエンザの
陽性反応がでた。
9日には衰弱死コクチョウからもA型ででた。
宇部市はすぐさま防疫対策本部を設置し対応した。何しろ野鳥は常盤湖だけでなく、きらら浜にも数多く飛来する。
公共広場やスポーツ公園の立ち入り禁止や消石灰散布などの拡散防止措置を徹底するとともに、白鳥など400羽を殺処分した。100km離れた私達の動物園も入園を見合わせ、鳥類に
網を張ったり、消毒したり大変な騒ぎになった。
8月29日 FAOは毒性の強い鳥インフルエンザの変異株が、人間の健康に対して予測不可能なリスクをもたらしながらアジアなどから拡がる兆しがあり、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が再び蔓延する可能性があるので、防御態勢を強化するよう要請した。
高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウィルスは家禽を通して変異株が人間へ大流行する
可能性を指摘し、H5N1型ウィルスがまだ強く残っている国、バングラデシュ、中国、エジプト、
インド、インドネシア、ベトナムでは最大の難問に直面する可能性があり、周辺の日本等アジア
各国に防御態勢とサーベイランスの重要性をといた。
9月9日新型インフルエンザ(強毒性鳥インフルエンザH5N1型)のワクチンの製造工場建設を
発表した。総工費340億円で来年6月操業となる見込みである。これは従来タミフルで対応して
きた事をさらに進めて質・量ともに新型に対応しようとする強い意志の現われである。なにしろ
ことは重大なのである。
放射能汚染でもそうであるが、ウイルスも眼に見えない、見えないものは恐い。
強毒性鳥インフルエンザH5N1型に感染した場合の致死率は63%にもなる。
病気も現在では予防医療が発達しており、その発生率を抑えられるようになってきた。
何処へいかない、なにはしてはいけない、こんな症状がでたらすぐ病院へ等々、日常の習慣に至るまで、予防をして防ぐ事が出来、病原菌は根絶することができる。
それだから安心していいと言うつもりはない。
鳩のように交付金を当てするなというつもりもない。
眼に見えない放射能汚染については、予防をまったくしていない現状もある。
大事が発生してから、どうのこうの言っても始まらない。
それに放射能を根絶するワクチンは、まだありません。
発生を未然に防ぐ手立てを、考えようじゃありませんか?