帰国の日が近づいてくる。
おせわになった人たちに、別れの挨拶をしなければ、ならない。
最後の試験がおわった後、おせわになった中国人とわかれの会が三回あった。
どの方たちも印象ふかい、自分も中国で努力したので、感慨がよりおそってくる。
ひとことでも優しい言葉が出れば、泣き出しそうな雰囲気のなかで、涙をこらえていた。
今日は、学校で毎日おしえて戴いた汉语の教授に挨拶にいった。
先週の金曜日から探しているがなかなかつかまらないので、教授の部屋の人に聞くと
火曜日は、おいでになると言うので、朝から教学楼に挨拶にいった。
教授室のお付きの先生が いま、教授いないので、帰られたら電話をしてくれるという。
部屋まで5分も掛からないので、私はその都度、電話もかけなかった。
しばらくして、教授から電話がかかってきた。
久しぶりに聞くハイパフォーマーな明るい声だ。
教授部屋に置いてきた土産のお礼と学習での慰労と今後の期待を口にされた。
これで、いいのだ・・・と思ったが、どうしてもじかに会ってお礼を言いたかったので、
再び教授の部屋に行った。
ノックして部屋の戸をあけると、みんな立ち上がって迎えてくれる。
教授と先生が二人、学生がふたり。ソファーに座れという。
みんな私が来ることがわかっていたみたいだ。
教授は、立ち上がってきて私の名を呼んで歓迎してくれた。
握手の次は抱き合って肩をたたき合う。
教授がまた聞いてきた。帰ってどうするんだとか?つぎにこちらへ来る予定はあるのか?だとか
帰っても中国語の勉強をしっかりやってください、とか言われる。
いちいち答えていたが、自分の言葉がうまく出なくなったので、帰ってしっかり勉強したいので
その時、看るための言葉を書いてくれといった。
教授は快く、たびたび考えては私が帰っても中国語の勉強を忘れないような文章を書いてくれた。
書き上げると、私にみせて自分で読み上げてくれた。
まるで母親が子供に教えているようで65歳の私は、ひどく面映ゆい。
写真も記念にお願いすると、助手の先生が快くシャッターを押してくれた。
携帯の写真ですが、撮ったあと確認して看てみろというので一緒に看て喜んだ。
画面が暗いので先生がちょっと・・・というのでパソコンで処理するからいいと言うと
その助手は、わかったらしく返してくれた。
教授は、感激屋で言葉がなんかでつながらなくなると、もう眼がうるんでいた。
わたしも、それを看て泣きそうになりそうなので、春節のお祝いを言って部屋をでた。
教授は、部屋から出てきて、わたしを送ってくれた。
「せんせい!ありがとうございました。」

