
クリスマスツリーを飾っている現場にであった。
ここ留園のエントランスホールや談話室にツリーやサンタクロースのシールを服務員がワイワイガヤガヤ にぎやかに飾った。
毎年の事であろう、モールなども解いては、飾り付けている。
日本で流行っているLed イルミネーションはない。
あ~、もうクリスマスの準備か~
日本の私の町でも始まってるのだろうか?
ここの大学通りも店々がクリスマスの飾りつけを始めている。
朝、6時に起床して6時半に食堂へ行く。まだ外は明けてなく、かすかな灯りを頼りに歩く、道も凍っている。
宿舎も食堂へ行く道も食堂のなかも人は未だ少ない。
昨日の冷え込みで、「今マイナス12℃だ」と宿舎の宿直のおじさんが知らせてくれる。
食堂から帰ってホールでコーヒーを飲みながら一服する。~安らぎの時~
まだ、宿直のおじさん二人と私だけである。
そのおじさんが、クリスマスツリーとわたしを見て、「日本ではどうか」と問いかける。
つぎに「ハアーこれは若者たちのものだ・・・」と私に同意を求めるようにいう。
全くその通りで同感である。私も前々からそう思っていた。
同年輩であるから私も彼の話の意図がわかって、大いに共感した。
それから、私と仕事の事や家族のことなど話した。
そのうちに服務員や新聞配達や改修中の工事人が出這入りし始めた。
一夜にして着るものが変わっている。
防寒用の厳重な服装だ。寒い寒いと笑いながら入ってくる。
ここ宿舎の留学生はみんな若く、夜は若者たちの熱気で湧きかえる。
音楽や笑い声や喋り声が2階の私の部屋まで聞こえてくる。
しかし、朝は、若者はまだ姿をみせない。
ここのあさは、老人のわたし一人のものだ。
宿直のおじさんに「帰ってから何をするのですか?」と問う。
「寝るのさ!」、「夜の番が仕事だから寝てないから・・・」と答えた。
私も日本で月に2・3回宿直が周ってきていた経験がある。
宿直明けは、何か解放されたような朝の雰囲気を感じたものだ。
私は、又ここのおじさんの話がわかった。
おじさんは私を老人と認めて、自分の意見の共有を求めているのだ。
私はいたく感激し「その通り、その通り!」と意味不明な中国語で答えた。
おじさんは、分かったのか、雰囲気で感じとったのか・・・笑っていた。
私の本当の目的は、これであったのかもしれない。
現地の同じ年代の人の生きた声を聞いてみたい。
またお互いに苦労して生きてきた事をはなして、共通の認識を持ちたい。
お互いの身の上話等をして、考えている事がわかりあえば友達になれる。
私の民間友好交流は、緒に就いたばかりである。
私はクリスマスツリーを撮ろうと部屋からカメラを持ってきた。
おじさんは、7:3.0が下班なので家に帰る。
私は、日本のお茶を4・5袋そのおじさんに「日本のお茶も飲んでください」
といって手渡した。
おじさんはちょっと驚いた眼で私をみて、「ありがとう」と言って喜んだ。
おじさんは、歩いて帰って行った。
私は、教室のほうへ向かった。

宿舎 留園のエントランスホール ここで一杯一元のインスタントコーヒーを飲む わりと美味い