101点の出展で新石器、大汝口、龍山、商、春秋、戦国、漢〜と続く。
中でも商代が42点で最も多く華やかである。
玉は、小指大から手のひらサイズが多く礼器としても、宝石としても
珍重されたと聞く。数千年前のひとがよくこんな造形美、精緻さを生み出したものだ。
文字と同じくそれぞれみんな意味がある表現となっていて、古代人の素朴さを
感じさせるものばかりだ。これらが後の台湾故宮博物院の籠の中に籠、その中に籠を
作るような技法や玉の鎖のような精巧なものに発展したのにちがいない。
中国人も器用だ、日本人と違うと思うのは一品を3代くらいにわたり完成させるという
気のながさも持ち合わせている点だ。職人も時代背景を背負っているとはいえ、現代人が
舌をまくものばかりだ。悠久である。
淄博博物館収蔵品も17点(戦国時代)あり、2回訪れたことがある私は、懐かしい気持ちで
みている自分に気がついた。あそこも歴史は奥が深い。
この多くの出土品は、ほとんど文化大革命以降であり中国社会科学考古研究所や
山東省文物考古研究所の20数年の努力もうかがい知ることができる。
(古重 明)