諭吉 簡単にいうとそういうことだ。実はご飯と味噌汁っているのはかなり相性が良くて、どちらにも陽性の働きが強く、基礎体温が上がり、細胞が活性化されて脳の働きも活性化されて、血液循環が良くなるので、朝飲めば一日の活力に、夕方飲めば明日への活力へと繋がる大事なものなんだよ。そしてお米と味噌は消化を補い合う素晴らしいパートナーのはずなんだよ。
恵子 素晴らしいパートナーのはずの味噌が菌が死んだ味噌だった場合消化という点ではどうなるんですか?
諭吉 残念ながらパートナーだと思ってお米が消化というハーモニーを奏でると思って近づいたらニューハーフだったような驚きに変わるんだよ。
恵子 ええええええ。残念過ぎますやん。女性かと思って近づいたらニューハーフだったような驚きになるなんてパートナーになれませんよね。消化が良くないってことですか?
諭吉 そうなんだよ。うまくまぐわえていないってことだな。でんぷんを分解する酵素が味噌にはたっぷり含まれているからお米は消化を助けてもらえるから味噌とは仲良くしたいんだよ。にもかかわらずスーパーの味噌ではニューハーフだから消化の助けにはならないんだ。
恵子 そうだったんですね。でも、時々冷蔵庫の中に保管されて販売している味噌がありますがそれは菌の発酵を抑えているためだから菌が寝ているだけで死んでいるわけではないんですよね。味噌は自分で作らない人が本物の味噌を買うとするなら冷蔵庫保管されている味噌を買う事が必須なんですね。
諭吉 そうだよ。道の駅なんかで売っている冷蔵庫に入っている近所のお母さんが作った味噌はいいよなあ。しかし市販されているだし入り味噌と言うのも疑った方がいい。だしくらい自分で取るようにしなきゃ女性としてどうかと思うなあ。
恵子 だしくらいくらい取るようにします。昆布とカツオでいいですよねえ。
諭吉 上等過ぎるよ。煮干しで十分。昆布と鰹節との相性も最高のグルタミン酸とイノシン酸が合わさって最高級のだしだよ。味噌もそうだけど最近発酵食品が見直されていて嬉しいと思っているんだ。ここにも「稽古照今」の発想が出て来ていい感じだ。
恵子 そうですねえ。「稽古照今」大事ですねえ。塩麹や醤油麹、甘酒など最近雑誌で特集組まれますよ。それに最近近くにある絶滅危惧種のような味噌蔵にお邪魔する機会があったんですが、三重県鈴鹿市にある東海醸造株式会社という徳川綱吉時代から続いている味噌蔵で、菌が生きていました。
諭吉 ほお。それは私が生きていたときよりももっと長い年月生きている素晴らしい菌たちだなあ。今じゃ本当に絶滅危惧種だろう。大事にしなければ。三百年老舗企業とはただそれだけで素晴らしいよ。