資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。
三重県四日市市富田2丁目にある、鳥出神社(とりでじんじゃ)です。


主祭神に日本武尊を祀り、古くから三重県四日市市富田の氏神として、武運・豊漁・豊作・繁栄をもたらしてきた神社です。8月に行われる鳥出神社の鯨船行事はユネスコの無形文化遺産に登録されています。

絵馬にも、鳥出神社の鯨船行事が描かれています。
鳥出神社の鯨船行事は、北勢地方に分布する全国的にも珍しい陸上の模擬捕鯨行事の中で最も古来の様式を保持した典型的な祭礼行事です。




行事は4つの組(北島組・中島組・南島組・古川町)からそれぞれ1艘ずつの豪華な彫刻や幕で飾られた鯨船山車(神社丸・神徳丸・感應丸・権現丸)が出され、これで張りぼての鯨を追いかけ、反撃を受けては再び追い詰めてこれを仕留めるという一連の演技を繰り返し行うものです。
毎年8月14日と15日に行われ、14日に町練り、15日には鳥出神社への練り込み(本練り)が行われます。この行事は鯨を大漁や富貴(ふうき)の象徴と見なし、これを仕留める演技を行うことによって豊穣を祈願する行事として民俗学的に注目されています。
鳥出神社に残る鯨船行事の由緒書きには、天明元年(1781年)から行事が始まったと書かれているそうです。
