三巴(みつどもえ)
片方の羽をくっつけたまま、ぐるぐる追い掛ける三羽の鶴が、三巴の紋と重なる印象です。
【狂歌】
悋気(りんき)から 輪廻(りんえ)の廻る三巴 我を祭らん 宇治の橋姫
〈注〉
悋気…嫉妬の意味。
輪廻…りんねとも読み、仏教では迷いの世界で生死を繰り返すことを言う。
転じて、同じ事を繰り返すことや、執念深くすることの意味にも用いられる。
三巴…三つのものが対立して絡みあうことで、この場合三角関係を指す。
橋姫…橋を守る女神のことで、京都の
宇治橋の下にいると言う女神が有名で、宇治に住む女性に擬して言う事が多い。
「さ筵(むしろ)に衣片敷き今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」(古今和歌集)が本歌。
さ筵…狭筵と書き、狭いむしろまたは短いむしろの事。




