資料館の1階には毎月、語り部ボランティア 山田さん手書きの「季節の俳画」をご提供いただいています。

 

 今日のお題は、「鶴」。

 古くは「たず」と呼ばれ、平安時代以降に「」と呼ばれるようになったようです。

 古来より「鶴は千年」といわれ「長寿を象徴する吉祥の鳥」として、また夫婦仲が大変良く一生を連れ添うことから「夫婦鶴=めおとづる」といわれて「仲良きことの象徴の鳥」として、鳴き声が共鳴して遠方まで届くことから「天に届く=天上界に通ずる鳥」といわれるなど、民衆の間に「めでたい鳥」として尊ばれてきました。

 



鶴の羽や 白きが上に 冴え返る / 河東碧梧桐

鶴舞ひぬ 空青ければ 影青く /  生澤瑛子

草枯や 又国越ゆる 鶴のむれ / 飯田蛇笏

山風に 鶴が啼いたら 寒さかな / 飯田蛇笏

何処やらに 鶴の声きく 霞かな / 井上井月

 



餌をやる 人に鶴舞ふ 初日かな / 尾崎放哉

野は枯て のばす物なし 鶴の首 / 各務支考

つつがなき 平和の里に 鶴遊ぶ / 平山勝子

松島や 鶴に身をかれ ほとゝぎす / 河合曾良

人音を 鶴もしたふて 若菜哉 / 加賀千代女

残る雪 鶴郊外に 下りて居り / 河東碧梧桐