資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

 

 京都府京都市右京区梅津フケノ川町にある、梅宮大社(うめみやたいしゃ)です。



 梅宮大社は、奈良時代からお酒の神様として崇敬されるとともに、安産の神様としても篤く信仰されてきました。特に安産祈願は、子に恵まれなかった檀林皇后が仁明天皇を授かったという由緒あるもので、当時の風習が今に伝わります。

 

 創建については諸説あるようですが、一説によると、奈良時代に橘氏の祖 県犬養橘三千代(あがたいぬかいのたちばなのみちよ)が山城国に酒解神(さかとけのかみ)を氏神として祀ったのに始まり、平安時代、嵯峨天皇の皇后 橘嘉智子(たちばなのかちこ、檀林皇后)によって現在地へ遷座したと伝わります。

 

 御祭神は、

 酒解神(さかとけのかみ)=大山祇神(おおやまづみのかみ)

 酒解子神(さかとけこのかみ)=木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)

 大若子神(おおわくこのかみ)=瓊々杵尊(ににぎのみこと)

 小若子神(こわくこのかみ)=彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)

 

 絵馬は、酒樽に鶏が乗り醸造租神・安産授与と書かれた縁起絵馬です。



(子宝の石 「またげ石」)

 神域の奥、本殿の横に鎮座する神秘的な石で、またぐと子宝に恵まれるといわれています。

 御祭神の一柱である檀林皇后がまたがれたところ、速やかに皇子(後の仁明天皇)を授かったと伝えられ、以来血脈相続の石として信仰されています。

 なお、またげ石は、本殿の中にあり、本殿外からの見学は可能ですが、この石をまたぐことは “ご夫婦で子授けのご祈祷をなされた方に限ります”とのこと。