旅行の楽しみのひとつに、御朱印集めがあります。
 私が生まれて初めてご朱印をいただいたのは小学生の頃で、今でも鮮明に覚えています。皆さんよくご存じの東大寺大仏殿、言うまでもなく奈良県を代表する世界遺産のお寺です。お堂に一歩踏み入れた瞬間、仏像の大きさに驚きました。そして、新しく買ってもらった朱印帳には「大佛」と書いてありました。
 最近では、寺社の御朱印のデザインが凝っていて、いわゆるSNS映えを意識したものが増えてきました。四季の行事や神事に合わせた期間限定の図柄も珍しくありません。余談ですが、伊勢神宮では今も昔も装飾の無いシンプルな印が押されるのみ、真っ白な紙に朱色が映えて美しいと思います。
 そして最近では「御宿場印」も知られるようになってきました。令和4(2022)年から始まった金融機関による「東海道御宿場印プロジェクト」の取り組みで、ご宿場印が東海道の宿場の観光施設や飲食店などで販売されています。
 東海道四日市宿資料館も便乗させていただき、オリジナルの宿場印を作成し、ちょっと前からご希望の来館者の方に無料でお渡ししています。

 このほど、開館5周年を記念して、新たに手書きのものを作ってみました。活字印刷と区別するために、くずし字を用いて「四日市」と書きました。本格的な書道の文字というよりは、行書と草書の間くらいの字です。余裕が出てきたら、違う字体を使ったり半紙に墨で書けたらな・・・と思います。  (Y)