資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

 

  名古屋市南区笠寺町上新町にある、天林山 笠覆寺(りゅうふくじ)、笠寺観音(かさでらかんのん)です。

 「笠で覆う寺」の意を表す笠覆寺には、次のような伝説が残されています。

 

 『その昔、ある女性が観音像にお祈りを続けていました。ある日、雨ざらしでびしょ濡れになっていた観音様を見た女性は、思わず自分がかぶっていた笠をかぶせます。ちょうどそこに男性が通りかかりました。彼こそが京からやってきた青年貴族・藤原兼平公。見初められた女性は京に召され、兼平公と結ばれて「玉照姫」と呼ばれるようになりました。のちに夫婦は出会いのきっかけとなった観音様に感謝してお堂を建て、笠をかぶせた観音さまをお祀りしました。』

 

 創建は、天平5年(733年)。徳川家康公が名古屋城築城にあたって鬼門の方角にある寺院を鎮護とした尾張四観音(龍泉寺、荒子観音、甚目寺と並び)の一つに数えられています。

 

 絵馬には、寺名にちなみ笠をかぶった観音像が描かれています。