資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

 

 京都府京都市左京区黒谷町にある、金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)です。

 金戒光明寺は、法然上人が天台宗の大本山である比叡山を下りて、初めて草庵(仮の住まい)を結んだ地とされています。

 法然上人とは、浄土宗の開祖と仰がれた方で、平安時代末期から鎌倉時代を生きた人物です。 比叡山を下りた法然上人は、この場所で民衆に向けて、「南無阿弥陀仏」と念仏さえ唱えれば誰もが平等に往生できるという教えを説いてまわりました。

 また、幕末の京都守護職を務めた会津藩主・松平容保(まつだいらかたもり)が本陣を構えた寺で、「新選組誕生の地」でもあります。

 

 絵馬は、文殊菩薩像(渡海文殊形式)が描かれた学業成就、知恵授け、合格祈願の絵馬です。


 渡海文殊形式と呼ばれるこの文殊菩薩像は運慶の作と伝わり、江戸時代初期 徳川秀忠公菩提の為に建立された三重の塔の本尊として安置されていましたが、平成20年に御影堂に遷座されました。

 三人寄れば文殊の知恵、のことわざのように、文殊菩薩は古来より知恵増長、学業成就の仏様として信仰されています。