京都 三條大橋


 鴨川に架かる三条(條)大橋は天正一八(一五九〇)年、豊臣秀吉の命令によって回収され、初めて石製の橋脚を用いた橋となりました。

 橋を俯瞰する構図で描かれた本図では、長さ百メートルの橋上を行き交う人々の姿を観察することができます。

 

 行商人、番傘をさす武士、茶筅売り、公家か武家の出身と思しき衣を被った娘などなど、彼らのよそおいは実に様々です。

 大いに繁栄を見せる宿場の雰囲気を肌で感じながら、眼下に鴨川を、そして遠方には東山と比叡の山々を望み、江戸から約五〇〇キロの長旅をいよいよ終えようとしている旅人たちの胸中は、まさに感慨無量であったに違いありません。

 

 (お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)

 

 付録 五十三次名所図会(京)