石薬師 石薬師寺

浪瀬川が流れる低地を過ぎると石薬師宿に到着します。宿場の名は西側を下る斜面にあった石薬師寺に因みます。
本図を見ると、ちょうどその山門に向かって田んぼのあぜ道を進む旅人と、門前を馬子に曳かれて進む旅装の武士らの姿があります。
向かって右側の田んぼに目を移すと、すっかり刈入れが済んだと見え、積まれた藁塚の前で地元の農夫たちが鍬を片手に土地の手入れをしているところ。
それらの光景と涼やかな色彩で描かれた背景の山肌や紅色がかった空とが相俟って、ひんやりとした秋の日暮れの空気が伝わってきます。
(お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)
付録 五十三次名所図会(石薬師)
