四日市 三重川

急な強風が吹いたのでしょう。ふいに菅笠を奪われ慌ててそれを追う旅人と、簡素な造りの板橋の上で合羽を抑え必死に耐える旅人、そして中央には枝葉を振り乱して靡く柳の木。
目には見えない「風」も広重の手にかかればこの通り、見事に表現されます。
四日市宿は伊勢神宮街道の要所でもあり、その中心を流れているのが副題にある「三重川」、別名「三滝川」とも呼ばれた川でした。
川辺には葦が茂り少し覗く小舟が画面に風情を添えています。左に家々の屋根と船の帆が見えており、そのあたりが四日市湊と解ります。
(お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)
付録 五十三次名所図会(四日市)のほか、地元四日市にまつわる浮世絵のいろいろです。









