桑名 七里渡口


 宮宿から桑名宿までは海上七里(約二八キロ)の船旅であったため、「七里の渡し」と称されました。

 

 三方を海に囲まれた久松松平氏一一万石の桑名城に、本図ではちょうど二艘の船が到着するところです。

 船の中を覗いてみると、どうやらたくさんの旅人たちがひしめいている様子。定員は四〇から五〇人程度でした。

 

 伊勢内海の海原は鮮やかな青、水平線にはうっすらと山並みが見えています。手前側の海面は色調がまた異なっており、こちらに打ち寄せる大きめの波は、波頭が白抜きの小さな点によって表されキラキラと光を映じる光景が伝わってきます。

 

 (お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)

 

 付録 五十三次名所図会(桑名)