宮 熱田神事
宮は日本武尊の草薙のが祀られた熱田神宮の門前町です。
画面右手にはその鳥居が大きく描かれています。ここでは毎年五月五日に「馬の塔」と呼ばれる神事が催されました。
馬には、豪華に飾り立てられた「本馬」と本図に表されているように粗篭を巻きつけただけの「俄馬」の二種類がありました。
手前で威勢を放つ男たち一軍は、隣の鳴海宿の図で主題となっていた名物有松絞りの赤い半纏を身につけ、その奥を駆ける一軍が着ている青の半纏と、小気味好い色彩のコントラストをなしています。
今にも賑やかな掛け声が聞こえてきそうな一場面、画面左奥には建物の中からその様子を伺う人々の姿も見られます。
(お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)
付録 五十三次名所図会(宮)