岡崎 矢矧之橋


 徳川家康 誕生の地、岡崎。 岡崎城下の東海道は「二十七曲り」と言われる複雑に曲がりくねった道となり、やがて矢矧川に至ります。

 

 本図では、東海道中で最長、二〇八軒(378メートル)という全長を誇る矢矧橋が主役です。 橋の向こう側には岡崎城が見えています。

 

 実はこの作品で広重は、橋の欄干の柱の先に本来付けられているはずの宝珠形の飾り「擬宝珠」を省略してしまっています。 そのため東海道随一の巨大な橋としてはやや威厳にかく印象も否めません。

 一方、この保永堂版とは別の、同じく広重による「行書東海道」では、岡崎の図に橋をクローズアップした構図を採用し、擬宝珠もしっかりと描き込まれています。

 

 (お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)

 

 付録 五十三次名所図会(岡崎)


 付録 行書東海道(岡崎)