嶋田 大井川駿岸

東海道の三大難所といえば、箱根の山、宇津之谷峠、そしてこの大井川です。
駿河と遠江の境を流れる大井川は川幅が十二町(約1.3キロ)にも及び、東海道で最大の、非常に急な流れの川でした。
広重は川を渡る人々の姿を俯瞰するような視点で描いています。
肩車や輦台など様々な方法で川越えをする人たちの後ろには、弓や槍、大量の荷物を携えて間もなく目の前の大河に挑もうという大名行列の一行が順番を待っています。
「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」の歌からも想像されるように旅人たちの決死の思いが伝わってきます。
(お断り 本文は㈱永谷園さんの東海道五拾三次カードからの引用です)
付録 五十三次名所図会(島田)
