資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。


 袋井市豊沢にある、法多山 尊永寺(はったさん そんえいじ)です。

 

 本尊の正観世音菩薩は厄除開運のご利益に霊験あらたかであるとして、古来より俗に厄除観音と呼ばれています。

 

 神亀2年(725年)聖武天皇の勅命を受けた行基上人が大悲観音応臨の聖地をこの地に探し求め、自ら刻んだ本尊正観世音菩薩を安置したのが縁起といわれています。

 

 ご本尊の霊徳は遠く京都に及び、白河、後白河天皇の勅願あつく定額寺の列に加えられていました。

 

 その後今川、豊臣、徳川等武将の信仰を得て、特に慶長7年(1602年)徳川家康公より五万石の格式を以って遇せられ、一山十二坊の法燈が栄えましたが、明治維新に朱印地返還、十二坊を廃して総号尊永寺と改め今日に至りました。

 

 絵馬はに、境内に祀られている「一意一願不動明王」が描かれています。

 

 心に願うただ一つの願い事を熟願すれば成就するといわれます。尊像の前には願い事を込めた絵馬が多数奉納されています。

 

 縄と剣を左右の手に持っています。これは、恐ろしい姿と剣で悩める衆生を脅してでも、手に持った縄で縛り付けても人々を悟りの世界に連れて行く強い決意の表れとされています。

 

 毎年4月28日の大祭には柴灯護摩の秘法が修され、大勢の善男善女が願いを込めて火渡りの行を行います。