資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。


 京都市東山区小松町にある、六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)です。

 

 六道珍皇寺は近くにある建仁寺(けんにんじ)の塔頭(たっちゅう)です。

 

 通称で「六道さん」と呼ばれたり、「珍皇寺」と呼ばれたりするほか、古くは「愛宕寺(おたぎでら)」とも呼ばれました。

 

 平安時代や鎌倉時代には東寺(とうじ)に属するお寺として栄えました。

 

 その後、衰退しましたが、建仁寺の聞渓良聡(もんけいりょうそう)というお坊さんが再建しました。

 

 仏教では六道(ろくどう)という6つの世界があると考えられ、人が亡くなったらこの世界を移り変わるとされています。

 

 この世とあの世の境目(さかいめ)が、六道珍皇寺の境内辺りだといわれ、六道へ通じる分かれ道という意味で、門の前には「六道の辻(ろくどうのつじ)」という石碑(せきひ)が建てられています。

 

 六道珍皇寺の閻魔堂(えんまどう)の中には、閻魔大王(えんまだいおう)の像と小野篁(おののたかむら)の像が祀られています。

 

 閻魔大王はギョロリと目を見開いた怖い表情をしており、やましい心では眺めていられないほど迫力があります。

 

 小野篁は昼間は朝廷に使え、夜は冥土(めいど)〈あの世〉で閻魔大王に使えたという伝説の人物です。

 

 絵馬には、六道の辻に祀られている水子地蔵尊が描かれています。