資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。
京都市北区紫野今宮町にある、今宮神社（いまみやじんじゃ）です。
この社地には、平安建都以前より疫神を祀る社があったといわれています。
建都の後に平安京が都市として栄える一方で、人々はうち続く疫病や災厄に悩まされ、これを鎮めるため神泉苑、御霊社、祇園社など各地で盛んに御霊会が営まれました。
正暦5年（994年）6月、当社地に祀る疫神を二基の神輿に齋いこめて船岡山に安置し、神慮を慰め奉って悪疫退散を祈りました。
これが紫野御霊会であり今宮祭の起源です。
そしてこの時、京中の老若男女は挙って神輿に供し船岡山へ登り、綾傘に風流を施し囃子に合わせて唄い踊り、病魔のよれる人形を難波江に流したといわれます。
後の夜須礼（やすらい祭）へとつながる人々の安寧への願いです。
長保3年（1001年）ご霊夢によって、疫神を鎮め祀るため再び紫野の地に御霊会が修せられ、新たに設けられた神殿三宇ともども今宮社と名づけられました。これをもって今宮神社の創祀とされいます。
絵馬は、やすらい祭に舞われる踊りの様子を描いています。
今宮神社の境内では、2組8人の大鬼が大きな輪になって やすらい踊りを奉納します。
桜の花を背景に神前へと向かい、激しく飛び跳ねるように、そしてまた緩やかに、“やすらい花や”の声に合わせ安寧の願いを込めて踊ります。