資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

松江市佐草町にある、八重垣神社(やえがきじんじゃ)です。
神社は、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する際に、稲田姫(いなだひめ)を難から救われた場所とされています。
森の大杉の周囲に「八重垣」を造り、稲田姫を隠しました。
「八重垣」とは、稲田姫命をお守りした八つの垣根で、「大垣、中垣、万垣、西垣、万定垣、北垣、袖垣、秘弥垣」と呼ばれました。
八岐大蛇退治の後、素盞嗚尊と稲田姫命はこの地で結ばれたとの伝承があり、出雲の縁結びの大親神として、夫婦円満や良縁結びにご利益があると言われています。
絵馬は、本殿の壁画に描かれた稲田姫命、素盞嗚尊の開運絵馬です。
かつては神官のみが拝謁できた本殿内の壁画は、寛平5年(893年)、平安時代の宮廷画家・巨勢金岡の筆と伝えられ、板絵三面に素盞嗚尊、稲田姫命、天照大神、市杵嶋姫命、脚摩乳命、手摩乳命の六神像が描かれています。
古色蒼然、雄渾な筆力は、神社建築史上類例のない貴重な壁画と推賞され、国の重要文化財の指定(昭和34年)を受けました。