資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。


 東近江市建部瓦屋寺町にある、瓦屋禅寺(かわらやぜんじ)です。

 

 寺伝によれば、聖徳太子が山中の土を用いて瓦を106,000枚から108,000枚造らせて、摂津(大阪)四天王寺建立の際にその瓦を用いたのが寺名の由来とされています。

 

 絵馬は、ゆかりの聖徳太子の顔をモチーフに作られました。

 

 聖徳太子にまつわるエピソードをいくつか紹介します。

 

(10人の話を同時に聞き分けた)

〜聖徳太子は、何人もの話を同時に聞き分けられた〜

 

 あるとき、聖徳太子が人々の願いを聞く場を設けたところ、10人が集まって一気に話し出したそうです。 聖徳太子はそのすべてを理解し、それぞれに的確に答えたといわれています。

 また「上宮聖徳法王帝説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)」などの聖徳太子の伝記には、8人の話を一度に聞き分けたとも記されており、真偽も含め、この逸話には諸説があります。

 


(初めて富士山に登頂した)

〜一説によると、富士山に初めて登頂したのは聖徳太子だそうです。とはいえ、常人のように、地上を歩いて登ったわけではありません〜

 

 聖徳太子は馬に乗って奈良の都を飛び立ち、空から富士山へ降り立ったというのです。

 この逸話は「甲斐(かい)の黒駒(くろこま)伝説」といい、その様子を描いた絵は全国に残されています。

 

 また、江戸時代の書物によれば、聖徳太子が降り立ったのは富士山の8合目でした。

そのため、8合目一帯は伝説にちなんだ「駒ヶ岳」と呼ばれ、聖徳太子が休憩したとされる「太子館」という山小屋もあります。