資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

宇治市五ケ庄三番割にある、黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)です。
江戸時代初期に明(みん)から来日した黄檗宗の開祖・隠元(いんげん)がもたらした中国風の伽藍が、禅宗らしい凛とした空気の中にも優美な雰囲気を醸し出しています。
萬福寺では、日本最古の七福神といわれる『都七福神』の布袋尊(ほていそん)をお祀りされています
絵馬は、布袋尊が描かれた招福絵馬です。
布袋は七福神の中で唯一、実在の人物といわれています。
後梁時代、中国浙江省の契此(かいし)というお坊さんがそのモデルになったといわれています。
この方はいつも大きな袋をかついで国中を旅していたことから、いつしか「布袋」と呼ばれるようになりました。
布袋さまは各地を行脚し、訪れた先々でたくさんの貧しい人々に出会いました。そして人々に救いの手を差し伸べ、袋の中から必要な物を与えました。
救われた人から御礼にと戴いた物などはまた袋の中に入れ、再び行脚の旅に出るのです。これを繰り返しているうちに袋はどんどん大きくなっていきました。
布袋さんの袋の中には人々の感謝と慈悲の心が詰まっているのです。