資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。



 大津市石山南郷町にある、安養寺(あんようじ)です。

 

 通称「立木観音(たちきかんのん)」、地元では「立木さん」とも呼ばれ親しまれています。

 

 平安時代前期、瀬田川の対岸に光り輝く霊木を発見した弘法大師(こうぼうだいし)が、急流のため渡れないでいると、突然白い鹿が現れて弘法大師を背中に乗せて岩の上を跳んで渡ってくれました。

 

 このことから、この地は「鹿跳(ししとび)」と呼ばれるようになりました。

 

 そして、川を渡って霊木の前まで来ると白い鹿は観世音菩薩に姿を変えたといいます。

 

 観世音が導いてくれたことに感激した弘法大師は、立木に等身大の観音像を刻み、建立したのがこの寺であるといわれています。

 

 長く急な石段を登ると境内があります。

 

 弘法大師が観音像を刻んだのが厄年の42歳であったといわれることから、古くから立木観音は厄よけ観音として広く親しまれ、毎月17日には、月詣りをする参詣者で賑わいます。

 

 絵馬は、弘法大師を背中に乗せた白鹿にちなみ描かれた、厄難消滅、諸願成就の絵馬2題です。