資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

京都市左京区黒谷町にある、金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)です。
通称くろ谷さん(くろだにさん)と呼ばれる、知恩院とならぶ格式を誇る浄土宗の七大本山の一つです。
金戒光明寺のあるこの地は、法然上人が承安5年(1175年)43歳の時お念仏の教えを広めるために山頂の石の上でお念仏をされた時、紫雲全山にみなぎり光明が辺りを照らしたことを縁起として この地に草庵を営まれました。
絵馬に描かれているのは、右大臣 吉備真備(きびのまきび)の像です。
奈良時代の学者 吉備真備が 遣唐使として帰国の際、船が遭難しそうになり「南無観世音菩薩」と唱えたところ、たちまちその難を免れることができました。
真備はその時、唐より持ち帰った栴檀香木で行基菩薩に頼み観音さまを刻んでもらいました。
この縁起により この観音さまを吉備真備に因み『吉備観音』と呼ばれています。