資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。


 奈良市雑司町にある、手向山八幡宮 (たむけやまはちまんぐう)です。

 

 紅葉の名所として知られる手向山の山麓にあり、天平勝宝元年(749年)東大寺大仏建立のため、九州豊前国(大分県)宇佐八幡宮より東大寺守譲の神として迎え祀られました。

 

 絵馬にあるのは、「対(むか)い鳩」と呼ばれる神紋です。

 

 鳩は日本では平安時代から神社などに群れで棲んでおり、軍神である八幡神の使者とされてきました。そのため武家に好まれ、『源平盛衰記』や『太平記』などの軍記物には、鳩が出陣に際して勝利を呼び込む瑞鳥として数多く記されています。

 

 また、向かい合った鳩を描いた「むかい鳩」は二羽の鳩を対に描くことで、軍神・八幡神の「八」の字を表し、その神威を内に取り込むためといわれています。