パリンと音を立て
宵闇に浮かぶ小さな星が2つ
わたしの部屋の窓から
入り込んできた
「こら、こんな真冬に窓ガラスを割って
風邪引いたらどうしてくれる」
目くじら立ててわたしが言うと
橙色の星はケタケタと笑いくるりと舞う
「そんなことは知らないさ
君の悲しみは君のものだろう
ボクの悲しみもボクのものだ」
青白い星は申し訳なさそうに呟く
「本当はこんなつもりじゃなかったの
あのひとがよそ見なんかするものだから
気がつけばもう手遅れなのよ」
大きなため息を二回つき
わたしは掛け布団のなかに入り込む
「出ていってくれ」と言ったような
言わないような
気がつけば空はすっかり明るくなり
わたしは深い眠りのなか
パリンと音がして
また懲りもせず小さな星が2つ
わたしの部屋の窓に
違う穴を開けて入ってくる
さあ何て言ってやろう
さあ何て言ってやろう