テレビの画面からは

若者たちが自分たちの意思を、自由を

守るために

闘う姿が映し出されている

 

ああ、もう昔の自分ではないのだと知る

 

あのころのわたしは

このような光景を見たら胸が押しつぶされるような

そんな思いを吐き出そうと言葉を縫い合わせていた

 

彼らが正しいのか、そうではないのか

そんなことを真剣に悩み

決して誰かに響かないとしても

第三者でいようとはしなかった

結局は第三者でしかないことなど気にも留めず

 

今ではすっかり目の前のものに追い立てられ

そんな彼らを映画を見るように非現実のものとして

受け止めてしまっている

 

しかし、彼らとわたしは同じこの空を

同じ朝焼けを、同じ夕暮れを見上げ

ともに温かな血をめぐらせ

生きている

 

年を重ねるごとに

弱さはかさぶたを剥がすこともできなくなり

たまにかゆがるように過去を思い返す

 

ああ、もう昔の自分ではないのだ

 

そんなとき若き頃に読んだ詩を思い出す

 

古きかさぶたは剥がしてしまえ

自らのなかに新しさはある

 

守らずにきた感受性を

今一度、叩き直せ