梯子をのぼっていくと

侵食するように景色は広さを持つようになり

 

見たことのない 普段見慣れた街並みに

新しい感動を覚えさせられる

 

そして

 

見下ろした足元の先に在る街並みは

まるで私をあざ笑うかのよう

慌てて下へ降りようとして

しまう右手 と左手

 

遠くへ広がる街並み

足元に広がる街並み

 

その違いは一体何なのだろう

 

梯子はがたがたと揺れ動き

そのくせ地球は

まったく微動だにしないように

回りつづけている

 

梯子と地球 右手と左手

 

その違いは一体何なのだろう

 

私はまだ

 

梯子に揺られている

 

 

(2003年ごろ作成)