耳を澄ましてごらん おばぁちゃんの声

私は泣いた 怖いんですもの

優しいおばぁちゃんのしわから零れ落ちるものが

 

外で遊びなさい お母さんの声

私は祈った 雨降りな日々で

いつか世界がみずたまりになればと

 

誰か友達はいないのか お父さんの声

私は笑った いないんですもの

涙を拭いてくれる友達なんて

 

傷つかないように走る姿

靴なんて捨ててしまえばいいのに

みんなそのままじゃない

無理して着飾るお人形じゃないのよ

 

私は誰より知っている この世界を

 

そうガラス瓶の中で呟いたのは いつの日か

 

 

(2002年ごろ作成)