表浜は濁りが入ってしまってキス釣りは早々に撃沈。結果、またしてもゴカイがかなり余った。その後に餌を1週間冷蔵庫で保冷したままにした。確認のために箱を空けるとゴカイは水分が抜けていたが、指先で体をつつくとわずかに生命反応が残っていた。そこで残り餌を携行して鯊釣りに行くことにした。去年、釣行した立田大橋周辺の大潮干潮狙いで車を走らせた。

  ポイントを思い出しながら、堤防沿いを見渡すと空きはほとんど見当たらなかった。そこで車を降りて状況を探ってみると一人の若者が私に挨拶してくれた。彼のバッカンの中を覗くとかなりの数の鯊が泳ぎ、しかも良型も混じっていた。彼は間違いなく上機嫌で、今日は朝から調子が良くてクーラーに30匹以上貯まっていると語った。追従するように私が釣果を褒め称えると、更ににこやかになり、もうすぐやめるので声かけますと言ったので場所を譲ってもらうことにした。

  下げ潮半ばで釣り開始。リールのちょい投げ2本竿にして、効率は落ちるが根掛かり対策で1本針仕掛けにした。餌箱の蓋を開けるとゴカイは部分的に変色してほとんど動かなかった。やはり活き餌を購入しておくべきだったと後悔したが仕方なし。餌を1本掛けにしてちょい投げ、ゆっくりと川底を引きずると魚信が伝わった。こんな餌でも食いつくとは鯊の活性は良いなと思った。しかし、仕掛けを回収すると針掛かりしていなかった。去年はほったらかしにした方が釣果が良かった事を思い出したので、2本とも竿掛けに置いてほっておいた。すると間もなく魚信があったので、更に30秒ほど待ってリールを巻き取るとあのおとぼけ顔の真鯊が登場した。釣果を優先しあたりを楽しみたい気持ちを迎え、この作戦を継続すると面白いことにほとんど針掛かりするようになった。

  やがて引き潮が大きくなっていき堤防下のテトラの穴がむき出しになった。いつの間にか、二人連れの年配釣り師が姿を現し私を挟んで両側で釣り始めた。一人は短竿を持ってテナガエビ狙い、もう一人は投げ竿では鯊狙いだった。すると短竿の人に魚信が到来、釣り上げると私より大きな良型の鯊だった。感心しながら再び観察すると3匹ほど連続して同サイズを釣っていた。一方で、投げ竿の人は魚信があるのに掛からないとブツブツ言いながら釣っていた。短竿の人は肝心のエビが掛からないと相方に話しかけていたので、私も会話に参加して、ほったらかしの方が鯊は釣れている事を話した。常連である短竿の人は、ここの鯊は毎日叩かれて擦れていて普通の釣り方では釣れんと言った。私はその話に納得したが、投げ竿の人は、当たりはあるのにと同じ台詞を言っていた。

  私の餌はついに自発的な動きが全く消失。さすがに動かない餌では魚信が遠のいた。少し引きずって生きた餌を演出してみると弱い魚信があったので、そこで置き竿にした。するとそんな餌でもポツポツ鯊を追加して釣り終了。十分な唐揚げ釣果を得て帰宅した。小さめの鯊は頭は残し、二度揚げして丸ごと食べられるようにした。最高のビールのつまみになった。まだ、落ち鯊ではなく、しばらく釣れるかな。