1974―2

#71(3/25)

やりきれなさ…  多くの友人に囲まれているものの  家に帰れば 温かい飯が食えるものの

山に 岩に 登り汗もかく  そして 来年の計画   

それは自分に夢を持たせているのだということは  自分が一番よく知っている  

Poseだということは

何故なら 何も どうなるか どうしたらよいのかも 判らないから

皆なの胸倉を掴んで 問うてみたい  何故生きているのかを…  何故結婚するのだろう  

何故子供を生むのだろう  いったい君と君はどういう間柄なんだい

おそらく 解ってはいないだろう

のうのうと 然して 現実の厳しさの中に生きていやがる

ただ 事実の重みの中にだけ 自分を納得させていやがる

全ての枠を取り外して 己一人になったとき

そんなことは 到底不可能だからこそ 結局は判らない

よく 誘われる 出来はしないけれど…

For what?  Why?

 

 

#72

山で死んだ仲間たちよ  

あなたがたは その瞬間が訪れるまで どういう気持ちで

ただ雪が降りしきる中を ただ風が吹き荒ぶ中を ひたすら登っていたのだろう

その瞬間 果たして 全ての日常の鉄鎖からは 解き放たれたのだろうか

私が山から下りて味わう苦々しさを 

あなたがたは 永遠に背負わなくてもよくなったのだろうか

所詮 明視できないもの  

けれども 山に焦がれる一人として 

たとえザイルに繋がったパーティであったにせよ  同じ山岳会仲間と伴であったにせよ

あなたがた一人一人の 

心の孤独さを 紛れもない寂しさを 解っていたい