宝ヶ池駅 E06
〈宝ヶ池駅〉
しょっちゅうパソコンで無料の映画を観ている。そして、最近たまたま観たなかのひとつが『僕は明日、昨日のきみとデートする』。叡山電鉄とのコラボで2016年に制作されたらしい。そういえば以前にTSUTAYAでタイトルだけは見たような記憶があるが、遅ればせながら観たわけだけだ。冒頭から「ありゃりゃ」と思った。叡電の車内が映り、宝ヶ池駅が。宝ヶ池駅がそんなに乗降客が多かったっけ?とは思いはしたが、早送りすることなく観おえた。内容は小説や映画ならではの世界が優しく描かれていた。宝ヶ池駅のほかには、宝ヶ池・茶山駅・鴨川デルタ・京都市動物園・伏見稲荷なんかのシーンが僕の知る所として出てきた。封切られた時は随分と反響があったらしく、上記の場所を含めてロケ地巡りなんかも盛んだったらしい。演じた小松菜奈さんや福士蒼汰さんのサインが書かれたベンチも、しばらくは宝ヶ池駅ホームに設置されていたらしい。現在はない。
〈2018年から運行されている観光用車両「ひえい」〉
そんな宝ヶ池駅だが、三つのホームに四つの線があり、叡電の駅のなかでは広い。叡山本線の途中駅ではあるが、鞍馬線の起点駅でもあるからだ。出町柳駅を出発した電車は、ここで分かれ八瀬比叡山口や鞍馬へと向かう。鞍馬線の起点駅ではあるのだけれど、鞍馬行きの電車も、八瀬比叡山口行きの電車もすべてが出町柳駅から出ているので、この駅で乗り換えする乗客はほとんどいないし、叡電の多くの駅がそうであるように無人駅となっている。開放感満杯の駅だ。
〈4番ホーム北側〉
元田中駅の項で、昔宝ヶ池には市営の競輪場があり、市電が叡電路線に乗り入れた時期があったことに触れた。面白いことに、その名残として4番ホームの北側に市電用の低床ホームの跡が残っている。大人の楽園でもあっただろう旧競輪場は、今は子供の楽園となっている。僕の子どもたちを遊ばせ、今では孫が遊ぶ子供の楽園は周囲の公園を含め随分と整備されてきた。その初期には、競輪場の側壁かバンクみたいなものが一部残っていたような記憶があるのだが。
〈「やまばなはし」から〉
広大な宝ヶ池公園の東端に位置する子供の楽園へは、駅を降りて白川通りを渡り、東に進むとすぐである。途中で高野川にかかる古い(昭和13年竣工)「やまばなはし」があり、そこから上流を見ると、川が二手に分かれているのがわかる。右手が高野川本流だ。国道367号線で滋賀県へと向かう、いわゆる「途中越え」の手前の山々に源を発し、やがて大原や八瀬の里を潤し、この地で左手の長代川と合わさった岩倉川と合流する。と書いたが、僕はずっと勘違いをしていた。鞍馬からの川が岩倉川も集めここで合流すると思っていた。間違いに気付きあらためて大縮尺の地形図を見てみると、確かに鞍馬川は市原から流れを西に変えてやがて賀茂川に注ぐ。どれもこれも淀川水系には違いないのだけれど、今回長い間の勘違いが正せたことはちょっとした喜びだ。
〈京都国際会館〉
公園は松ヶ崎東山を回り込むようにして西に広がっている。合掌造り風の、あるいは校倉(あぜくら)造りを模したような国立京都国際会館を前方に、やがて右手に見ながら歩き、宝ヶ池に着くことができる。池の周りは四季それぞれの気配を感じながら走る絶好のランニングロードにも散歩道にもなっている。池には手漕ぎ足漕ぎのボートも浮かぶ。隠れてブラックバス釣りをする輩は以前にはいたが今はどうなのだろう。
〈宝ヶ池 国際会館と比叡山が〉
車で行こうとすれば、北山通りから宝ヶ池球技場を横にして延びる狐子(きつね)坂を上り切ったトンネル手前に、池へと右に下りる道がある。現在の狐子坂は整備されていて、市内の眺望が良い。ナトリウム灯に照らされた夜間はなおさらだが、くれぐれも運転には注意が必要だ。旧道のときは、それこそヘアピンカーブの連続でわき見する余裕もなかった。いや、そうでなくてもわき見運転はよろしくない。
ずっと昔から狐子坂の上り口付近で営むたこ焼き屋さんがある。今でも店を開けてはるやろか。
〈狐子坂から〉
高野川に沿って、叡山本線を進む。残る駅はふたつ。






